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2017年9月26日火曜日

シャビーシックな花トレイ~たっちコラムvol.20 (最終回) ~

2017.9月号(No.100)のこどもたっちコラムです。
今月で私担当のコラム掲載が終わります。


飾り続けて色が飛び始めたプリザーブドフラワーは、使い込んだようなシャビ―テイストのトレイにぴったり馴染みます。
頂いたスモークツリーの穂も予め乾燥させ、ハーフムーン状にして記念に写真を一枚。

花写真は今なお、私の支えです。

知り合いのいない土地で、初めての子育て。
泣きじゃくる幼な子のベビーカーを押しながら、毎月発行される花雑誌を眺める至福のとき・・手帳に挟んだお気に入りのアレンジ写真を見ると、母親になりたての私は自然と笑みがこぼれ、怪獣のような我が子にも笑顔で向き合える昔でした。




さて、20回にわたる花時間も、今月が最終回。

恋する気持ちを活字にしてくださったこどもたっち様、これまでささやかなアレンジに目をとめてくださった読者の皆様、本当にありがとうございました。
伝えきれなかった花への恋心は引き続き、BlogやInstagramで発信し続けたいと思います。

あなたは、何に恋をしてママ業がんばりますか?
花はどれをとっても美しいです。

その個性はまるで人の個性に重なって、子も親も世界にたった一つの花を・・咲かせたいなと思います。

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短期間ではありましたが、私自身とてもたくさんのことを学べました。
先日は、初回の心温まる思い出に引き続き、友人が二回目の“たっち会”を企画し、開いてくれました。

彼女とPTAの研修で出会わなければ、きっとコラムの世界を覗かせてもらうこともありませんでした。

人との出会いは、時としてその後の人生に大きく影響を与えるようです。
きっかけをくれた彼女に、心からの感謝を言いたい。
心の声を活字に・・とくらし随筆を私に勧め、決して書くことはやめるなよと言ってくれた、父以上に年の離れた大師匠にも。
すべての出会いが宝物です。


すべての経験はこれからに活かします。
そして、ママたちの、子どもたちの笑顔がもっと増えるように。
我が子も含め、これからを生きる子どもたちの幸せを心底願って。
また違った形で、エールを送り続けたいと思います。




2017年9月8日金曜日

ichi ~カフェメニューの撮影へ~

今日はとても写真が多いです(笑)。
しかも、空腹時に見たら、どれも美味しそうで間違いなく泣けてくる品々・・。

今月20日にいわき市平の大工町にオープンする、駅前サンドイッチカフェ『ichi』
まちのみんなが集えて、託児スペースを併設したモノづくり工房もあるカフェです。※ichiの詳しい情報は、友人のブログで!⇒



ここから、“お互い(each)” が “一歩踏み出し” 成長しあえる場所になれたら・・。
産後子どもを見てもらいながら、仕事や自分の好きなことができたなら・・。
「子育ても自分も諦めたくない」一そう思う女性の願いを、自身も社労士として働き、この秋ママになる友人が、既存の建物をリノベーションする形で実現しました。



元々は、大工さんがたくさん住んでいた大工町。
昼間人通りの少なくなったいわき駅前(大工町を含む中心市街地)で、モノづくり文化によるコミュニティ形成ができるのか・・この3年間の実験プロジェクトで少しずつ地域が活性化し、4年目以降のさらなるステップに繋がれば良いなと、私自身も思います。





そもそも、カフェに訪れた女性が活気づく。
子育て・家庭・仕事・・介護、互いの悩みや現実を共有・共感し、心と体のコリを解しながら社会に向き合っていこうとする小さな一歩が、ここには確かに存在していくのだろうと思います。

さて。
前置きが長くなりましたが、今日はカフェメニューの撮影へと出向きました。
花写真はいくらでも撮りますが、ね。
食べ物・・しかも、こちらに集うお客様にお出しするサンドイッチメニューの撮影となると、訳が違います。
フォトスタイリングも自分で考え準備しての・・私のはじめての一歩(笑)。
素敵な写真が撮れたので、今日は美味しい写真(本当に美味しかった!!!)のお披露目です。
まずは妊娠中や授乳中でも飲める、体も整うメディカルハーブティーから。
Creemaminneでもお馴染みの、メディカルハーブのお店“oluolu”さん。
私が頂いたこちらは、女子力Up(女性ホルモン・お肌の調子を整える)tea。
ハイビスカス入りなので、この鮮やかなルビー色に癒されます。
こんなに美味しいハーブティ―をつくられるなんて。
いつの日かお会いしてみたいです。



美味しさって、見た目の美しさって・・どうやったら引き出せるのでしょう・・⁉
様々な角度で撮りました(笑)。







店長が作ってくれたサンドイッチは、見た目、味、最高です。
まずは、スパニッシュオムレツから。



続いて、エビアボガド。



極めつけ、生ハム。



今見返しても、美味しそう。

続いてのミッション、スイーツ撮りも行いました。
こちら、オレンジソースもまた素晴らしい!



さらに美しいソース掛け。



そして、トロトロふわふわのフレンチトースト。



我が末っ子の育てたミニトマトやら、私のコラムアレンジのグリーンポットやら賛助出演もあって(笑)。
素人撮りを受け入れてくれた友人に感謝です。



おまけはこちら。
我が家にあったフレッシュ・シュガーバインを、ichiへ置いてきました。
だって、ここに残りたいと、この子自身が言っていますから(笑)。
それほどまでに、この場所がよく似合う。



母子ともに無事なご出産を心よりお祈りしています。
夢を形にすること。
それを間近で見せて頂き、彼女やそこで働く皆様からは元気をいただきました。

ichiのオープンキャッチフレーズは、「つどう。つながる。つくりだす。

昨年、いわき市男女共同参画推進団体『いろどり』を立ち上げ、この春市へ登録した私自身が今一番欲しい言葉です。
いろどりの話も、いずれまた。

本日は本当にありがとうございました!

2017年8月28日月曜日

ドライボタニカルディフューザー~たっちコラムvol.19~

2017.8月号(No.99)のこどもたっちコラムです。

夏の疲れを、自分好みの心地よい香りで癒しませんか?
いつもは雑貨屋さんで購入したり、贈り物で頂いたりするリードディフューザーを、この夏は自分で作ってみました。

ドライになりやすい水分少なめの花材は、アレンジに用いたものを乾燥させて。
リード(スティック部分)には、こちらも乾燥させたスチールグラスを切りそろえて用いました。

葦や籐の素材のほうが、ぐんぐんと吸い上げて香りも広がりやすいのかもしれませんが、瑠璃玉アザミの茎部分にスティックの役目を兼ねさせたので、どれだけ香るかを実験中(笑)。

ドラッグストアで購入できる揮発性の高い無水エタノールと、手持ちのブレンドエッセンシャルオイルとを、約10:1位の割合で混和させました。


ペーパーフラワーや、ソイフラワー(東南アジアの水辺に育つ“ソラの木”を、薄く向いて花上に形成したもの)にも、液が染み渡り、香りが徐々に広がるのを期待しています。
オイルの中には、カサカサに乾燥させたスターチスをちょっぴり入れて。

見て触れて、香りも楽しめるフレグランスインテリアの完成です。

2017年7月28日金曜日

瑠璃色のボトルアレンジ ~たっちコラムvol.18~

2017.7月号(No.98)のこどもたっちコラムです。


学生時代に初めて買った瑠璃色の花瓶。
薬瓶にも似たこの深い色には、訳もなく惹かれてしかたありません。
でも悲しいことに、私が好むインテリアには合わないのです。


好きなのに調和しない・・そんなジレンマは、生活空間のちょっとしたスペースに部分使いすることで、どうにか解消しようと試みました。

深海や宇宙を連想させる瑠璃色には、ブルー系統のプリザーブドや、シルバーリーフのアーティフィシャルで涼やかさを添えて・・。



「瑠璃(るり)」という言葉の持つ響きも素敵。
紺碧色が美しい宝石「ラピスラズリ」は、瑠璃(青金石という鉱物)が主成分の希少な石。

遠い昔、エジプトでは王朝古墳から見出されたり、ヨーロッパではこの石をすり潰して顔料にしたり。
日本では、正倉院の宝物に「瑠璃坏(るりのつき)」が納められています。

生花のあしらいでも、青色は貴重な花材です。
直観力や集中力を高め、心身を安定させ、冷静な自分へと向かわせる瑠璃色

我が子と向き合い過ぎて心が波風立つ時には、このボトルに目をやって、ひとつ深呼吸・・かな。

2017年6月27日火曜日

スフレ皿のお茶会ギフト ~たっちコラムvol.17~

2017.6月号(No.97)のこどもたっちコラムです。


(喜んでくれるかな?私のセレクト・・)
誰かに贈りものを選ぶ時は、いつもそんな不安とワクワク感でいっぱいです。
花に触れる時間が多くなってからは、心の中に浮かぶギフトはこの頃いつも花ばかり。

先月、こちらコラムでもおなじみの Akiko mama の繋がりで、少人数制の花教室を開かれている先生のアトリエへ、生花のプチアレンジ片手に伺いました。

せっかく集う女子会なので、その場で気軽に飾れて各自お持ち帰りできるお茶会ギフトを。
あくまでもカジュアルに・・100円ショップのスフレ皿(3.5寸)とリボン持ち帰り用のペーパーバッグを選んでみました。



弾む会話を想定すると、花材は暖色系かな。
ジューシーなオレンジ色のスプレーバラ "ベイブ" や、シックなアプリコット色のバラ "オークランド" に、大人女子が失いたくない元気さや潤いを心の底から託してプレゼント(笑)。
もちの良いエクレールやエリンジウムの添えれば、素人仕込むのアレンジも、小洒落た感じに仕上がりました。

花を労わって届けるまでの想い・・花屋さんの気持ちがちょっぴり分かった花時間です。


2017年5月27日土曜日

グリーンポット ~たっちコラムvol.16~

2017.5月号(No.96)のこどもたっちコラムです。

壊れた食器の使い道・・私は専ら花器として利用しています。
購入値段に関わらず、長年使うと愛着が湧くから、破棄してしまうのは忍びない。

鉢底みたいに穴が空いていれば水はけも良いので、土を入れてミニトマトやハーブを育てるのも楽しいのでしょうが、都合よく壊れないこちらのティーポットは、蓋が割れ、背面に大きなひびが入ってしまいました。

こんな時は水のいらないアーティフィシャルフラワーに助けられます。
レッスンや他のアレンジで用いたものを、一度ほぐして埃を取り除いてから再利用。

爽やかなこの季節にキッチンに飾るのには、"ホワイト&グリーン"がぴったりします。


私が子どもの頃は、母も同じように縁が欠けたガラス容器に、アジアンタムを涼し気に飾ったり、スプラウトを育てながらキッチン窓辺に置いていました。

今、私は花を飾り、娘は果物(レモンやブンタン)の種を、欠けたガラス皿にコットンを敷いて発芽させ、鉢に移し、だいぶ大きな木に成長させています。

草花のある暮らし・・向き合い方は様々ですが、物も思いも再循環しています。

2017年4月30日日曜日

ガーデン風シュトラウス ~たっちコラムvol.15~

2017.4月号(No.95)のこどもたっちコラムです。

フラワーアレンジを習う上で、ひそかに思い描く夢・・いつか自分で育てた草花で、自然を日常に感じられる「シャンペトル(田舎風)ブーケ」を作ること。

そこにはメインの花以外に、実もの、枝もの、小花たち、ハーブや蔓状のグリーンをたっぷり入れ、中でも欠かすことはできない“グラミネ”と呼ばれるイネ科やキビ科の穂状草で、エアリーな雰囲気を醸し出したいと思う・・。

そんな理想を胸に抱きながら、それとは対照的な基本の「シュトラウス(手の中で組む小さな花束」をサクサクと仕上げることが、先ずは小さな目標です。



完成後の花束自体が自立するように花材を螺旋状に、それから蝶が舞うようにゆったり組むのが作る上でのお約束。

張りのあるグリーン"マルバルスカス"や"ストック"の甘い香りを取り入れたら、どことなく庭から摘んできたイメージに・・。
実際花壇から頂いてきた"スノーフレーク"は、スズランと似ている可愛らしい別花です。
一見カモミールと見間違えそうな"マトリカリア"や"ホワイトレースフラワー"の小花で、優しさも加味してみました。

2017年3月25日土曜日

ミモザのリース ~たっちコラムvol.14~

2017.3月号(No.94)のこどもたっちコラムです。

いくつもの小さな蕾が黄味を増して徐々に花開くと、今年も春がやって来たなと嬉しくなります。
ふわふわポンポンの丸いミモザに恋をして、家の片隅に植えてから、2年目の春。
昨年はカイガラムシに悩まされ、未だにその駆除が大変に感じるときもありますが、春風に揺れる姿を見ると心が弾みます。
花ごよみから食卓にもヒントを得て、"ミモザサラダ"もこの時期は登場します。
ミモザに見立てた刻んだ茹で卵を、ゆとりがある時には子どもたちに裏ごしさせて、更に粒状に。
柔らかな春野菜の緑色とミモザに見立てた黄身の彩りサラダ作りは、子どもも楽しめる春の食育スタイルの一つです。



さて、今月上旬。
国際女性デーの3月8日は「ミモザの日」。
イタリアでは愛する人や身近な女性へ、男性が日頃の感謝を込めてこの花を贈る習慣があるとのこと。
女性を敬う気持ちをこのミモザに託すとは、小粋でロマンチックで、何とも羨ましい話です。
今年も飾るミモザリースに誓うは、大切な人を尊敬すること。
春を運ぶこの小さな花が、忘れてはいけないことまでも私に届けてくれます。

2017年3月13日月曜日

花コラム~くらし随筆(6) いわき民報~

ようやく"くらし随筆"も、折り返し地点。
三か月というスパンを走り続けることに、当初は緊張もありましたが、何だかこの頃は力が抜けてきました。
自分の経験からでしか生まれない言葉なので、もうそこは・・本当にありのまま、心赴くまま(笑)。
今夜はここ一年掲載し続けている、たっちコラム「恋する花時間」について。
花への憧れは・・子育ての忙しさの中では、私は胸にその想いを秘めていました。
再び花に触れ始めると、忘れていたときめきを思い出させてくれ、娘たちの声援も受けながら、結果・・ブログまで書くことに至っております(笑)。

アパート暮らしの日々は、とても孤独でした。
でもそこで過ごした時間は、今に至る全ての原点で、心地よい懐かしさすら感じています。
・・あれから二十年かぁ。
寂しさも、花雑誌を眺めて笑顔になれた時間も、花屋さんとの出会いも、母親になったばかりの私には全てが必要なことでしたし、支えでもありました。

人生八十年ちょっとと考えるのなら、私自身の一生も折り返し地点。
随筆も人生も後半を走る上で、今、脳裏に浮かんでくることは・・。

幼少期からこれまでの生きてきた道を思い返しています。




2017年2月22日水曜日

RosePetalCake ~たっちコラムvol.13~

2017.2月号(No.93)のこどもたっちコラムです。


洋服、コスメ、インテリア、花束など。
どのような色合わせを好みますか?
花雑誌を眺めると、鮮やかな色づかいに憧れ、素朴な自然色の重なりに癒され、パステル同士の甘さに心奪われ・・。
あれこれ惹かれてしまう女心は、つくづく欲張りだなと思います(笑)。
心が安定する色は人それぞれ異なるので、本屋さんで手にした色彩心理効果の手引き書を片手に、花材をあれこれ考えるのがこの頃の楽しみの一つです。
私が惹かれる安定色の一つに、ピンクとグリーンの配色があります。
両方の色味を味わえるワイヤー入りリボンが今回の主役です。



淡いカラーのローズペタル(花びら)を貼り付けて、ケーキ仕立てのアレンジを作りました。
今月のバレンタインから雛祭りまでは、スイーツもチョコレートから桜餅へと変化する甘いひと月。
朽ちにくく可憐なプリザーブドペタルのケーキは、どちらのイベントにも飾り通せるような雰囲気です。
今年もささやかながら、黒一点の夫も巻き込んで、娘たちと春の女子祭り。
リアルなスイーツの誘惑には、いつもながら勝てないのですけれど、ね(笑)。


2017年1月24日火曜日

アナスタシアの節分プレート ~たっちコラムvol.12~

2017.1月号(No.92)のこどもたっちコラムです。


来月は「立春」を迎えます。
旧暦では一年の始まりと考えられていた日です。
季節の節目を表す暦の言葉を知れば、花あしらいの楽しみも深まります。
太陽の動きに合わせた現在の“新暦”になる明治5年まで、人は月の満ち欠けを基準とした“旧暦”を使っていました。
これは季節と月日のずれが生じる暦なので、農作業をするのに支障を感じた昔の人々は、正確に季節を知る手段として一年を24等分する中国伝来の「二十四節気」を取り入れるようになったのです。
季節の変化を読み取る二十四節気・・さらにはこれを3つに細分化した七十二候に映し出される暮らしのことばには、季節の風物を喜ぶ人の心の豊かさも感じられます。



暦の春スタート前日の「節分」には、乾燥や冷気に強い生花を和皿にあしらって、生活空間の邪気も払いのけ。
ヒイラギの代わりは、自宅花壇から摘んできた“ナンテンヒイラギ”です。
スパイダー咲きの大輪糸菊“アナスタシア”や、トゲのある葉先と瑠璃色が目を引く“エリンジウム”に、鬼も退散してしまいそうな意志の強さと美しさを感じます。

参考)国立天文台ホームページ→ 

2016年12月26日月曜日

迎春スワッグ ~たっちコラムvol.11~

2016.12月号(No.91)のこどもたっちコラムです。


儚い花のいのちを心に留めておくには、花を押したり乾燥させたり。
季節の草花の色褪せる過程も楽しみながら作るドライフラワーをそっと壁に掛ければ、ノスタルジックな風合いの“スワッグ(swag)”が完成。
ドイツ語で“壁飾り”を意味するスワッグには、生命の象徴として邪気を払いのける魔よけの意味があるそうです。

さて、伝統的な純和風スワッグならば、正月のしめ飾りがそれに当たるのかもしれません。
幸せや心身の健康を授けて下さるという年神様を出迎えるために、神聖な場所を意味するしめ縄を正月飾りには使います。
今月は、「仕事場の壁面飾りを」というミッションが私にはありました。
室内なので、藁のしめ縄よりは繊細な慶事の水引きが相応しく思います。
松や竹の緑色、梅・椿・胡蝶蘭の紅白色にオンシジュームの黄色、末広がりの金色扇を添えて、キャスケードブーケの要領で流れるようにアーティフィシャルを組んでいきます。


日本に息づく文化と現代的な美の感性も子どもたちに伝えられたら・・今年出会えた人や花たち、夢や希望を忘れずにいようと思う年の瀬です。

2016年11月26日土曜日

20年目のChristmas Wreath ~たっちコラムvol.10~

2016.11月号(No.90)のこどもたっちコラムです。



花をあしらう喜びに初めて出会った頃、私の通う教室では毎月季節のアレンジを作りました。
11月はクリスマスリース。
当時は先生が用意して下さったアケビの蔓を、太い部分からしならせて自分好みの大きさに巻き付けました。
すでに水分の抜けた固い蔓は、ぬるま湯につけて柔らかくしてから使います。

結婚当初は、永遠の愛や命を象徴する“リース”を一度は作ってみたいと願っていたので、気持ちの膨らみが直径50センチもの大きさになりました。
年に一度の出番も、今年で20年目。
シナモンスティック、鈴付きエンジェル、ポインセチアの造花など、埃を拭っては取れてしまう飾りをグルーで付け直しての“リペア・リース”です。


蔓状の植物・・例えば我が家ならプランター育てのアサガオ、ブラックベリー、ブドウなど。
まだ水分がある秋口に必要な分をカットしてリース状に形成しておくのも一案。

飾りには子どもたちが集めておいた宝物、捨てられずにとっておいたギフトリボンもアイロンを当てて再利用します。
クリスマスまでのひと月を、親子で指折り数えて待つリース作りになりそうです。


2016年10月23日日曜日

香るハロウィン卓上装花~たっちコラムvol.9~

2016.10月号(No.89)のこどもたっちコラムです。


末娘と二人で訪れた秋の店先、某100円ショップ。
『暮らしがはずむ、魔法をあげる。』・・何気なく目を止めたキャッチコピーが胸を躍らせます。
ハロウィンへ向けて、今月は母娘一緒に作品づくりを楽しみました。

二人の約束は、全ての材料を100円ショップで調達すること。
さて、何を取り入れようか・・、娘も私も陳列棚を覗く眼差しは真剣そのものです。
容れ物にはレザー風マルチケースを選び、造花やピック、チュールネット、ファーなど、購入したアイテムを一つひとつばらして組み合わせる作業からスタートしました。

卓上に飾ることを想定したので、全体のシルエットはどこから眺めても落ち着きのある“ホリゾンタルスタイル”に決定です。


娘のお気に入りは、ナチュラルフラワーにラベンダーの香り付けがされてあるポプリを入れたことです。
ほのかに穏やかな香りが漂って、完成後は小悪魔的な卓上装花から安らぎを受け取っています。
本来は外国の宗教的意味合いのある行事“ハロウィン”。
国境を越えた異文化に、親子でちょっぴり触れられる楽しい花時間になりました。



2016年9月23日金曜日

初秋のバーガンディパニエ~たっちコラムvol.8~

2016.9月号(No.88)のこどもたっちコラムです。


十五夜が過ぎて秋彼岸のあたりになると、野花の可憐な揺れ具合とこっくりとした色味の花が気になりはじめます。
幼い頃は道端に生えているエノコログサ(俗称:猫じゃらし)を引き抜いて、友達とくすぐり合いながら下校したり、ふわふわとした手触りと徐々に紅に色付くコキア(ほうき草)に目も心も奪われたりしたものでした。

大人になって魅了された秋花は、ワインレッド(赤紫)よりも茶色味が強くて落ち着きのあるチョコレートコスモス。
そのブルゴーニュワインのような色味が“バーガンディ”と表現されることを知り、種類によっては微かにチョコレートの香りがするのでますます好きになりました。



今回は手持ちの籠(パニエ)に自然的な花のあしらいです。
“バーガンディ”から繋がる花材は、長い穂がシックなファウンテングラスやスカビオサ。
小花も取り入れて動きを出した花籠は、全てアーティフィシャルフラワーなので、本格的な秋の到来まで枯れることを気にせずに飾れます。

完成後は仕事場の片隅へ運びました。
目に留める人の心に、初秋の悦びが訪れますように。


2016年8月25日木曜日

夏の思い出リース~たっちコラムvol.7~

2016.8月号(No.87)のこどもたっちコラムです。


考えてみたら、長女と四六時中過ごせる夏は今年が最後。
生まれて初めて経験した子育ての楽しみ辛さ、それから彼女とのたくさんの思い出が蘇ります。

幼少期の夏休み終わりごろ、沈みかけるオレンジ色の夕日から夜が始まる空のグラデーションに、二人で感嘆の吐息をもらしたことがありました。
太平洋沿いに位置するいわき市は、海から朝日を望み山間への日暮れを確認しますが、これが水平線への日没だったらどれほど美しいだろうかと、娘とよく想像と期待に胸を膨らませたものでした。
海と空と太陽、それから彼女が時間をかけて集めた貝殻が今回のアレンジのヒントです。



花時間を楽しむ中で「補色調和」を知るようになりました。
補色とは、ひと言でいうと反対色のこと。
虹色の順番に赤紫を加えて輪にした色相環の中で、三角や四角を形作る色同士を組み合わせると調和のとれた配色になります。
今回は赤みを含むオレンジ色の反対色、ターコイズグリーンで思い出の色を再現しました。
でも一番の教科書は、自然が作り上げた日常の色かも。
あの日胸をときめかせた夕日のような。

2016年7月22日金曜日

マジカルウォーターで涼花アレンジ ~たっちコラムvol.6~

2016.7月号(No.86)のこどもたっちコラムです。


夏休み。
子どもたちの賑やかな声が、暑さをさらに増幅させます。
打ち水、風鈴、よしずやすだれ、行水、夕涼み、夏野菜。
暑さをしのぐ昔ながらの知恵を総動員して、今年も思い出に残る夏の休日を過ごしたいところ。
花装飾も、涼を感じたくてひと工夫です。
金魚鉢のような丸いガラス花器に、クリスタルアイスを敷き詰めて「マジカルウォーター」と呼ばれる人工水を流し込みました。
この人工水の正体は無色透明なシリコーン樹脂。
固まるとまるで本物の水に見間違えるほどリアルで涼し気な様相になります。



使用するアーティフィシャルフラワーは、“つる状植物の女王”と呼ばれるクレマチス、プラチナのように光る渦巻き繊毛に覆われたクレマチスシード、糸状の繊細な葉が特徴的なニゲラ。
全てキンポウゲ科と呼ばれる植物で、多くは可愛らしい花を咲かせますが、アルカロイド(窒素を含む天然有機化合物)を含むものが多く、毒性と薬理性が表裏一体の種族です。

今回は涼を感じる色や葉の形に着目して、人工水との相乗効果を期待しました。
枯れない涼花アレンジの完成です。

2016年6月23日木曜日

幸せのウエディングトルソー~たっちコラムvol.5~

2016.6月号(No.85)のこどもたっちコラムです。


小道具を使ってアレンジする・・。
頭の中に浮かんだプチギフト計画は、手元に届いた一通の封書から始まりました。
子育て真っ只中の今、友人はウエディングドレスを身に纏い挙式。
その後は幸せを分かち合う食事会へ仲間をいざなうセレモニーへの招待状でした。
夫婦として信頼関係が培われてからの結婚式は、お互いや子どもたちを思いやるだけではなくて、過去とこれからも描くだろう愛の軌跡を確かめ合うひとときのように感じました。

トルソーに用いたプリザーブドフラワーの色名は、インド洋の宝石・・海の浅瀬を連想させる“モルディブブルー”と、ちょっぴりオレンジ色を含んだ“ブライダルピンク”です。
どちらも控えめなペールトーンなので、甘く溶け合い柔らかな雰囲気に仕上がりました。


高温多湿を嫌うプリザーブドフラワー。
湿度の多い日本で長く楽しむためには、夫婦同様気遣いも必要です。
花弁が透きと通ったり割れていたら、お疲れ気味のサイン。
そんな時は、袋や保管ケースの中に乾燥材や除湿剤と一緒にアレンジをしばらく入れておくと元気になります。

2016年5月26日木曜日

ローズガーデン~たっちコラムvol.4~

2016.5月号(No.84)のこどもたっちコラムです。


風薫る五月、いよいよバラの季節です。

二年前に名前も分からぬまま初めてのバラを購入しました。
二重の平咲きローズが花開く前に、今年は一段と張りのある葉を茂らせています。
家の書棚には『はじめてのバラ栽培』類の本が何冊かありますが、本を片手に見よう見まねで枝を切り詰めるにしても、バラの持つ気高さの前にいつも尻込みしてしまいます。

そんな様子を見かねて剪定してくれたのが、バラの愛育家である母の友人。

大先輩の鋏入れのおかげで、バラは元気を取り戻した様子です。
さらに嬉しいことに、彼女が愛でているバラたちに会える“オープンガーデン”へのお誘いも頂きました。
もうじきご対面できる花たちに思いを寄せて制作したアレンジは、アーティフィシャルのバラ尽くし『ローズガーデン』。



バラは“愛と美の象徴”だそうですが、その効能は精神ストレス緩和や美肌効果だったり、またホルモンバランスを整えたりと女性に嬉しいことだらけ。

大昔から世の女性を虜にした理由が一目瞭然です。

花を愛することが、自分を大切にすることに繋がる気がしています。


2016年4月26日火曜日

進級祝いのブックコサージュ~たっちコラムvol.3~

2016.4月号(No.83)のこどもたっちコラムです。


コサージュ・・というと。
アクリルケースに大事そうに納められた“大人女性の特別な美装飾品”というイメージが真っ先に浮かびます。
七五三や入学・卒業式などでは、胸元に造られた花を添える女性のたしなみが素敵だし、結婚式で男性がタキシードの左胸に飾る小ぶりのコサージュ(ブートニア)も繊細な華やかさを感じます。
ヨーロッパでは昔、女性の家までの道に咲く野花を男性が摘んで束ねたあと、プロポーズするのにその花束(ブーケ)を用いたそうで、女性はそこから抜いた花を男性の胸に挿して(ブートニア)、想いに応えていたとのこと。
美意識を形にした“コサージュ”には、それを目(手)にした相手を思いやる“小さな愛”を感じます。


進級・入学した娘たちに、コサージュ添えの洒落たノートを贈りました。
枯れないアーティフィシャルフラワー(自然の形になぞられて造られた花)を用いたのは、この時を思い出に残したいから。

花材には彼女たちが幼かった頃一緒に積んだ野花や、今春のプランターに溢れる花々をイメージしました。

小さな愛が届けば、私も幸せ。